東京の酒場、昭和の居酒屋のご紹介



大正時代に創業

 

 

昭和レトロの源流となっているのは、それよりも更に昔から続いている店でしょう。大正13年創業の「大坂屋」(東京都江東区門前仲町)は、関東三大煮込みの一翼を担っている名店です。何と関東大震災の翌年から、屋台での営業を始めたとされています。

 

最大の売りは「牛煮込み」です。更にいろいろメニューがあるのかと思えば、何とそれ以外は卵入りスープとオニオンスライスしかありません!

 

牛煮込みのメニューも、串に刺したシロ、フワ(肺)、ナンコツの三種類だけです。これが長年継ぎ足してきたスープの中でじっくり煮込まれます。一人前は串がおまかせで5本です。最初の串を食べ終えてから、好きな串を注文できるようになります。

 

シメに欠かせないのが卵入りスープです。実は煮込みのスープを半熟卵にかけたものなのですが、これが驚くほどおいしいのです。しめだったのにもっとお酒が飲みたくなってしまうという人もたくさんいるそうです。煮込みという料理の概念が変わると思います。

 

21時閉店が基本ですが19時頃に閉店しまうこともあるので、早めに行くことをお勧めします。

 

大正6年創業の「赤垣」(東京都台東区浅草)は三代目の店主が営んでいます。居酒屋がひしめく浅草で、海鮮料理が自慢のお店として脈脈と受け継がれています。

 

おつまみは、500円から1500円程度で。女性だけのグループで来店すると、店主から「秘密のサービス」があるそうです。ひっそりとたたずむ雰囲気で入りにくい印象がありますが、下町の居酒屋が味わえます。

 

人気は東京酒場の定番の「しめさば」やちょっとめずらしい「こはだ酢」。寿司ネタとして江戸前ではよく見かけますが、酒のアテとしては見かけません。やや強めの酢がさっぱりした味わいで癖になります。合鴨つくねも人気で、さっぱりとした塩味にレモンをかけて頂きます。

 

大正14年創業の「山利喜」(東京都江東区森下)も東京三大煮込みの雄です。こちらでは、牛のシロもつ、ギアラ(第4胃)だけが具材で、毎日、6時間以上も煮込まれています。