東京の酒場、昭和の居酒屋のご紹介



明治時代に創業

 

 

前項は大正時代創業、とくれば最後は明治時代創業の居酒屋ですね!明治38年の創業「みますや」(東京都千代田区神田司町)は、大正12年に建て直しがありました。昭和20年の東京大空襲にも遭っています。店の周囲が焼夷弾攻撃で火災になっているなか、この店の常連たちがバケツリレーで店への延焼を食い止めたという話があります。

 

そうして守られながら今の時代まで続き、ここでお酒が飲めるというまるで奇跡のような店です。居酒屋ファンの間では「東京最古の居酒屋」ということでかなり有名です。

 

店内にもそうした風情が感じられ、お品書きにも東京下町的、江戸前的なオツなメニューが満載。日本屈指の古典居酒屋といえるでしょう。

 

名物は「ふぐビール揚げ」で、どこにでもありそうでありながら実はあまりない一品です。ほっくりとした食感がビールにぴったりです。

 

どじょうの柳川鍋の使いこまれた土鍋は、いったい何年物なのでしょうか。桜刺し(馬肉)も名物で、赤身のほうがさっぱりしていて人気です。

 

明治33年創業という「岸田屋」(東京都中央区月島)は、最初はお汁粉の店として創業したそうです。その後、1966年になってから現在の居酒屋になっています。店内は、コの字型のカウンターと壁際のカウンター席だけの小さなお店です。

 

さて、ぜひ注文してもらいたいのが「煮込み」です。これは人気グルメ漫画「美味しんぼ」でも紹介された煮込みで、東京三大煮込みの一つとなっています。

 

他にも、にこごり、穴子焼き、肉豆腐、ぬた、いわし煮付など、いわゆるレトロな東京居酒屋的メニューがいろいろあります。どれも完成度が高い逸品ばかりです。東京三大煮込みの称号はダテではありません。